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徒然なる日々

久遠

INDEX

  • あらすじ
  • 01 森と海
  • 02 「悪い」運勢〜1〜
  • 03 「悪い」運勢〜2〜
  • 04 「悪い」運勢〜3〜
  • 05 「悪い」運勢〜4〜
  • 06 「悪い」運勢〜5〜
  • 07 「悪い」運勢〜6〜
  • 08 風
  • 09 小さき悪魔
  • 「悪い」運勢〜1〜


     今日は、香水の注文を受けて病院に配達に来ていた。
     「あ、」
     (オリアス)
     向こうからやってくる、見なれた姿に少し早足にその人物に向かった。
     
     「オリアス」
     そう声をかけると、向こうも気が付いていたのか顔色1つ変えずにかえしてきた。
     「何だ、君か。香水の営業でもしているのか?」
     「まあ、そんなところ」
     「……ふん。今占ってみたが、今日は運勢が悪い。今日やることは無駄になる」
     相変わらず愛想の1つもないオリアスに、告げられる今日の運勢。それも「悪い」と一言。
     「ちょっ…。嬉しいアドバイスをありがとう」
     思わず声を荒げそうになったが、
     (……そうよね。本人に悪気はないのよね)
     っと、これが何の意味も含まない。ただ素で言っているのだと、本人に何ら悪気も何もなにのだと言い聞かせ。お礼を言うだけにとどまった。

     「ねぇ、オリアス」
     「なんだ」
     「この後の予定は?」
     「診察は終わったから、このまま店のほうに行くだけだ」」
     「なら、ちょっと私に付き合ってよ」
     「……何にだ」
     「ちょっとすぎちゃったけど、どうせオリアスもお昼まだでしょう?私もまだだから、付き合って」
     「………もし俺が食べてたらどうするつもりだったんだ?」
     「その時はその時よ。今回はまだでしょう?」
     「まぁ、まだだが……」
     「なら決定。じゃあ行こう」
     「あ、おい」
     オリアスの言葉を一切スルーして、彼がまだ抵抗しないうちにさっさと病院から連れ去った。



     「ねね、ね。オリアス」
     「なんだ」
     「それ、一口ちょーだい」
     「……ほら」
     「ふふ、ありがとう」
     ルリの言いだした唐突な言葉に一瞬、ほんのわずかな間考えた後。自分の皿から一口だけスプーンですくい。彼女に差し出した。
     オリアスの差し出したスプーンを受け取ることなく、差し出されたかたちのままパクっと口に含んだ。
     「全くお前はいくつだ」
     「え?う〜〜ん……、大人…?子ども?」
     「……俺に聞くな」
     ヴァルクはこんなことしないが、オリアスからみれば同じ「子ども」なのだろうと知っているルリは。たまにこんな事を言って、オリアスをちょっとだけ悩ませる。

    10/09/22 21:49 久遠   

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