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徒然なる日々

久遠

INDEX

  • あらすじ
  • 01 森と海
  • 02 「悪い」運勢〜1〜
  • 03 「悪い」運勢〜2〜
  • 04 「悪い」運勢〜3〜
  • 05 「悪い」運勢〜4〜
  • 06 「悪い」運勢〜5〜
  • 07 「悪い」運勢〜6〜
  • 08 風
  • 09 小さき悪魔
  • 小さき悪魔

     《法律事務所・屋上庭園》
     
     「こんにちは!ヴァラク。またお茶してるのね」
     テーブルの上には、綺麗なティーセットが並んでいる。
     ルリはオリアスについていき、そのままヴァラクがいつもいる悪魔であるベルゼビュートの法律事務所の屋上庭園に来ていた。
     「……ルリも飲む?」
     「うん!ありがとう」
     ヴァラクはベルゼビュートの事務所の屋上にある庭園でいつもお茶を飲んでいる。他の悪魔達と違って、人間と全然接触がないみたい。 
     魔達は一体、それぞれどういう目的でこの世界にいるんだろう…?
     「…えっ…?!」
     ふと椅子に着こうと移動した時。噴水の前で、ティーカップを持ったヴァラクの横に大きなワニが寝そべっている。ヴァラクの向こう側、今まさに紅茶を淹れている彼、ここまで連れてきたオリアスに視線を助け…視線を向けてみれば「黙ってろ」とでも言いたげな視線を投げ返してきた。
     「こ…この子もお友達なの?」
     「……嫌い?」
     思わずその迫力に気圧され、引け腰になってしまったが。それもヴァラクの寂しげな表情を見れば、幾分かマシになった。
     「ううん、ちょっとびっくりしただけだよ」
     「…そう」
     「触ってもいい?」
     「いいけど… 怖くないの?」
     「だって、ヴァラクのお友達でしょう?」
     「うん」
     ヴァラクは少しだけ笑っているようだ。ワニはとても大人しくしている。
     恐る恐る手を伸ばして触れてみれば、そのうろこはツルツルとしているがとても固い。ヘビ等とはやはり違うようだった。
     「思ってたより固いのね。でも、手触りはツルツル…」
     「そう、だね」
     思いもよらぬ珍客…ならぬ、ヴァラクの友人の登場には驚いたが。こちらが警戒しない限り向こうも敵意を見せない。
     まぁオリアスがそのままにしているということは、ヴァラクに対しての危険はないのだろう。悪魔だから何か爬虫類と通ずるものがあるのだろうか?偏見かもしれないが。


     そんなのんびりとした空間に無粋な客がやってきた。

    11/01/04 12:39 久遠   

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