top

むかつく。

0:1 2

「あれ?千葉くんだ」


・・・最悪だ。
またコイツかよ―・・・。

「なんだよ、なんか用か?」

「掲示板の前通ったらいたんだもん。
知り合いに話しかけても別にいいでしょ?」

そう言うと、コイツはほほ笑んだ。
ほんとに年上か?と思うほど、子供みたいな顔だ。

・・・なんか・・・、むかつく。

神田が、よくこの“先輩”の話をする。
勉強も運動もできる、編入生・・・。


不良だと思われて、神田以外はほとんど俺に近づかない。
けどコイツは最初っから普通に俺に接してきた。
変わり者。
俺はそう思う。

溜息をつき、教室とは違う方へと俺は向かおうとする。
すると“先輩”は
「授業始まるよ?」
と、俺を止める。

「さぼる」
それだけ言って、逃げるように去ろうとする。

後ろからは、さっきの俺のような溜息が聞こえてきた。


アイツと話した後は、なんだかモヤモヤする。
おかしい。
自分じゃないみたいに、おかしくなる。


屋上にいくと、俺は目を閉じた。


―閉じても、瞼の裏には


“先輩”がいる・・・・・・・・・・・・。


top RSS
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.30c