sorry sorry love

ケスタロージャ、君の中で僕が消える瞬間を感じたよ。
確かに僕は忙しくて、暫く君に逢えていなかった。
この前の君の誕生日だって、仕事が山積みでなければ……。バースデーコール、あとたった5分が待てなかったんだ。
……君の好きな花火も、たわいのない話も全く見当たらない。
ああ、今日も約束なんて守れず、時計の針は深夜を過ぎたところを指している。
君からのメールはもちろん読んだ。でも、返す言葉が見つからないよ。
いつからだったのだろう、勝手気ままに過ごし始めたのは。
……ダメな奴でゴメン。
叶えたい夢の数だけ、君を傷つけていたなんて。
君の美しい微笑みを奪ったのが僕なんて嫌だよ。
ヤワな思い出じゃ心は繋げなかった。
僕自身が、間違いだらけだったんだろうね。
でも、もう一度チャンスが欲しい。
昔はしょっちゅう冗談の言い合いをしていたね。
僕が「どうしようもないこんな僕も、取り柄の一つくらいはある」って言ったら、君ははじけるように笑ってくれた。
からかい合って、すね合って、喧嘩して、また笑い合って……。
でも、この前君を抱きしめたら、涙をこらえていたよね。
大事なものは必ず近づき過ぎると見えなくなるんだ。
一人ぼっちのこの部屋は、まるで何もないアトリエ。
いつだって傍に居たケスタロージャが居ないなんて……。
 
僕は見てしまったんだ。
少し遅い時間にケスタロージャの家に来た時、鍵が開けっぱなしだったよ。
君の苦しそうな声が聞こえたから、急いで君の部屋の扉を開けたよ。
お願い、教えてほしい。
あの日、何も纏っていない君を犯していたアイツは誰なの?
 
君の涙を乾かしたのがアイツなんて……。
 
 
 
「認めたくない……!」
 
使用曲
sorry sorry love
16/01/05 04:15更新 / 亜或栄帝陰
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