僕と私の愛のカタチ−序説

 彼は、犯されることこそが「真実の愛」だと考えていた。
 毎日、娼夫のように躯(からだ)を触られ、弄ばれ、ボロボロにされるという喜び。
 喘ぎ、苦しみ、悶え、それでも求める幸せ。
 快楽のままに踊る。
 刺されて歓喜に濡れる。
 果たしてそれは本当の「愛のカタチ」なのだろうか。
 彼はまだ分からない。
 だからひたすら溺れ続ける。
 
 
 
「さあ、堕ちろ。お前がお前自身を取り戻す、その日まで。」
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