俺はあいつの手を振りほどいて、
雨の降る町へと走った・。
なぜだ・・。
あんなこと・・っ・。
【お前、ほんとムカつくわ。】
【っちょ・・セルトッッ・・・。】
まだ、自分で言ってしまった言葉が頭の中で・。っ・。
「・・。大丈夫ですか??」
後ろから聞き覚えのあるその声は・・。
「イナちゃん・・。」
「風邪ひきますよ。傘、入ってください!!」
「っつ・。いいよ!!大丈夫だから。」
「・・・。っ・・そです・・。」
「えっ??」
「嘘です!!」
イナちゃんは大きな声で涙を目に浮かべていた。
「私が掌くんと桜ちゃんが付き合ってるっていったところからでしたよね!
セルトさん、すごく悲しそうな目をされて・・。」
・・・・。
バレてた・。
「・・私じゃダメですか??」
上目遣いで俺を見つめるイナちゃんは・・。
オンナノカオだった・・・。
「私、前からセルトさんが気になってたんですっ・・・。
でも、桜ちゃんのことがセルトさんは好きって
分かってたからっ・・!!
この気持ちも捨て去ろうって!
なかったことにしようって思ってたんですっ!!」
「でもっ・・・!!」
・・。
「私とっ・・・
私と付き合ってくださいっ・・・。」
思いもよらぬ告白だった・・・。
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