「ああ!掌くんと桜ちゃんですか?
付き合ってるんですよー!お似合いですよね!」
・・・・・。え・・・??
イナちゃんが言ったその言葉を俺は・・・
信じようとしなかった。
いや。信じたくなかったのかもしれない・・。
「・・っ・・そっ、そうなのか・・・。」
俺はいつもどおりの俺で精一杯の笑顔で答えた。
「・・。ごめん。イナちゃん。俺店の手伝いしなくちゃならねえから・・。
帰るわ。」
「あっ!そうですか!じゃあまたっ!!」
イナちゃんは笑顔で俺に手を振ってくれた・。
本当は知りたくなかった・。
あいつの好きなヤツなんて。
ああ。そうだ。
俺は・・・・
あいつが好きなのか・・・・??
好きになるってこういう事なのかっ・・・?!
* * * *
「・・・。」
「お。帰ったか。ん?元気がないな。なんかあったのか?」
「っ・・・・。なんでもねえよ・・・。」
掌というヤツが羨ましくてたまらなかった。
あいつと手を握り、
あいつと笑顔で喋っている、
そんな掌が憎らしくてたまらなかった。。。
・・・・・・・・・。
俺は自室へと上がった・。
今日は手伝える気分じゃねえ・・。
できればあいつの顔も見たくない・。
でもっ・・・・
「ただいまー!!」
あいつの声が聞こえてきた・。
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