「ねぇ」
『わっ!』
突然背後から声をかけられた
『フィー…ナ様』
「あら?私の正体知ってるみたいね」
『…はい。この間は申し訳ありませんでした』
「……なんで謝るの?」
『え?だってほら……婚約者なのにお二人のお時間を邪魔しちゃいましたし…』
「はぁ?本気で言ってるのあなた?!」
『ほ、本気ですけど…』
「ばっかみたい」
『ばか…ですか…』
「私、あなたみたいな人大っ嫌い」
なんだかすごく嫌われてるな…
『お互い初めて会ったのが状況があれですし、嫌われるのも分かりますけど。でも私はフィーナ様のこと好きですよ』
「……何ソレ。それで私の好感度を上げようたってそうはいかないわよ」
『そんな風に思ってませんよ。逆に仲良くなりたいなぁって考えてます』
「あなた、私が王女様だってこと忘れてるでしょ?」
あっそうだった
『すいません。つい』
「やーねぇ…そうやって周りの男を騙してるのかしら?」
『はい?』
「さっきの親衛隊の人。彼氏?」
『か、彼氏じゃないですよ。ヴォルクは友達です。って見てたんですか?』
「ふん。別にあなたに興味があって見てたわけじゃないわよ。たまたまよ。
それにあなたの彼氏でも友達でもどーでもいい話だし……」
『あっ良かったら今度紹介しますね。他にも庭師の友達や音楽とか…』
「興味ないって言ってるでしょ!?なんで人の話聞かないのよ?!」
『えっ?す、すいません』
なんか謝ってるばっかりだなぁ……私
『そういえばどうしてここにいるんですか?』
「……いちゃ悪いの?」
『いえ別に。むしろ歓迎してます』
私はニコリと笑った
「……なんだか調子狂うわね。はぁ―――まぁいいわ。アルトは忙しそうだったし親衛隊の合同訓練が始まるまで暇だったから宮殿を散歩してただけよ」
『ってことは、隣の国ってフィーナ様の国なんですか?』
「そうよ」
『わぁすごいですね』
「そんなたいしたことではないわよ。アルトに会いたかったから合同訓練についてきただけだから」
『アルト様のこと相当好きなんですね』
「なっ……」
そういうとフィーナ様は顔を真っ赤にした
『フィーナ様可愛い…』
「ふん。そうよ私はアルトが世界一好きなのよ!だから私はあなたが嫌い!もう行くわ!
(わけわかんないあの女…仲良くなりたいだとか、歓迎してるとか…)」
フィっと私に背を向けると、すたすたと護衛館の方に行ってしまった
『なんでアルト様が好きだと私が嫌いになるの?不思議だ……』
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