「わっ...雨ひどくなってる..いつの間に。」
論文に没頭していると
気づけばもう深夜
宵に降り出した雨は
いつの間にか大雨になっていた
「そういえばソロレスさんが
今夜荒らしになるとかならないとか...」
忠告してくれてたのに
生返事しちゃった。。
カーテンを開けると、
暗い中でも窓に打ち付ける雨とその音から、
嵐の勢いがわかる。
・・・遠くの方で雷が鳴っている気がする。
そろそろ雷雲もこっちに近づいてくるだろう。
「やだなぁ...」
――子供みたいだけど私雷苦手なんだよね...
エグザはもうとっくに
お部屋に帰っちゃったし
心細いな...
――もう遅いしまだ雲が遠いうちに寝てしまおう...
寝る支度をいそいそとはじめる。
机上の書類を整頓し、
夜着を着たそのとき、
一瞬の白い閃光がカーテンから漏れた
【ドーン!!】
「――きゃあっっっっっ」
思わずしゃがみ込む
ゴロゴロ...という音がつづいて聞こえた
おそれていた雷が宮殿の近くに落ちたようだ。
「こ...こわい....」
ふと手をみやるとかすかにふるえていた。
―――雷がこわいなんて、ほんとに情けない....
なんて思っていると
再び閃光が走った
「ひっ」
【ゴロゴロッ...】
近隣の部屋で寝ているエグザたちを
起こしたくないという思いが
無意識に悲鳴を懸命に押し殺していた
でも
―――もうやだ....
どれだけ我慢しようとしても体は正直で、
すでに息は上がって、涙がでそうだった
「ヴォルク・・・。」
―――まだ起きてるかな・・・。
私は夜着を着たまま部屋をでた
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