、好きの愛言葉 U
「あ…あのね」
あたしは抑えきれないこの気持ちを
もうぶつけてしまおうと思った。
♪〜♪〜♪
それなのになんでこうなるんだろう、
柳田くんの携帯が鳴った。
柳田くんはあたしをちらっと見ると
申し訳なさそうに両手を目の前で合わせ
電話に出た。
あたしはもうここにいられなくて
背中を向けて歩き出した。
******
あたしが向かったのはバイト先。
岩崎さんと働いてもう3ヶ月になる。
岩崎さんはお兄ちゃんと仲がいいから
あたしは何も悪いことができなくて困ってる。
「ねえ澤野さん。今度一緒にお茶でもどう?」
「あたし…ですか?」
あたしは柳田くんが好き。
けど少しならいいかな…そんな考えが頭をよぎる。
でもやっぱり柳田くんが…
「今度の日曜、昼1時ね!お疲れ様!」
あたしの返事も無視して
岩崎さんは帰っていった。
「あ…」
あたしはただひたすら仕事に打ち込んで
柳田くんのことも岩崎さんのことも
忘れようとした。
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