「あなたは、トラブルに巻き込まれるのが好きみたいですね」
『(ハーベンティ!)』
割れた窓から現れたのはハーベンティだった。
「おい、その女を連れて逃げろ!」
『(やだやだ!離して!!)』
「抵抗すんじゃねぇ!!」
「私はベルゼビュート様から貴方を送り届けろと承っているのでどいて頂きたい」
「あいつを近づけるな!」
数人の男達がハーベンティに襲い掛かるが、全てなぎ倒されていく。
「その女をかせ!」
強く引っ張られていた感覚から解放されたかと思ったら、今度はダリウスに掴まれ、自分の盾のように前に立たされる。
その反対の手には、先程割れた窓ガラスの破片を持っている
するとハーベンティの足が止まった
「何をするつもりだ?」
その声を聞くと背後で笑う声がした。そして同時に腕に強い痛みが走った
『・・・っ!!!』
腕に深く窓ガラスが刺さっている
「これ以上近付いたら、この女の命を奪う!そこを動くなよ!」
ハーベンティは動かない。只視線を私に向けていた。
その表情はいつもの通りに見えるが――
『(動揺してる?まさか)』
そのまま、私はひきづられながら店の奥へと消えた
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