フーリオの花占い

「する、しない、する、しない――」




最後の花弁を掴む





「する」





・・・もうやめよう。これで99本目だ。




占い師の俺が、自ら占わず花弁占いに頼るとは馬鹿げた話だ






そもそも俺にはなんの関係もない。よって『教授が結婚をする』噂を気にする必要もない







よし。今日も街へ繰り出し花嫁探しにでもいくか。








「おい、聞いたか教授の噂・・・相手は何処かの国の王子だってよ」






なっ!!お、王子だと?!ふざけるな!





なぜ、異国の地の王子なんだ!!??王子ならここにもいるぞ!!!!







「おかしいな・・・俺が聞いた話だと一般人だって」





いっ一般人だと!?俺が一般人に劣ったと云うのか!!



俺はこれでも女子にきゃーきゃー言われるほどの美貌の持ち主だぞ!!







「何百面相しているんですか、フーリオ王子」





「カ、カリエン!!」






「どうせ、教授の噂を気にしていたんでしょ」




「そんなわけあるか!俺には山のように花嫁候補がいるんだ、あいつが結婚しようが関係ない」





「へぇ〜そうですか。あっ教授――」




「何?!」





カリエンが指をさすほうを振り返るが、そこには誰もいない






「おい、カリエン〜〜〜」


「全然意識してますね」





俺を事を見透かしたように、軽く笑う。






「ふん。まぁ少しだけな。珍しい女だからな」





ドカッと胡坐をかいて座る







「貴方は、偉そうな癖に欲がないのですよ」



「欲?」




「ええ。好きな人ならもっと欲張りにならなくては。私なら確実に奪いますけどもね」




「なっ奪う?!そんなことしたら嫌われるだろう」




「でしょうね。ですから誰の目にも触れないところに監禁でもして、無理やり私のものにするんですよ」






「お前・・・怖いな」




「冗談ですよ」





「冗談に聞こえる嘘を言え」







「そうですね。取りあえずフーリオ王子」





襟首をガッと掴まれる






「今日こそは仕事していただきます」




「なっ!やめろ放せっ!!俺を引きずるな!!俺は王子だぞ?!」




「はいはい」









15/04/01 23:47更新 / nayo2

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