ヴォルクの動揺





宮廷が、何か最近騒がしい







ヴォルクは鍛錬を止め、一息つく








「おい、お前達。最近訓練に身が入ってないぞ」





護衛官の後輩達を軽く注意する。今は自由時間だが皆武術の練習もせず、口々に何かを話し合っている






「す、すいませんヴォルク隊長!」



「あの、ヴォルク隊長はご存じですか?噂の事」






「噂?」






「はい。第三王子アルト様の個人教授、雪凪様が――」




「ご結婚なさるって話なんですが・・・」










手から剣が滑り落ちる







「ヴォ、ヴォルク隊長!?」







いけない。いつ何時でも冷静ではなくては






「ただの噂だろう」






俺は落ちた剣を拾い上げる






「いや、それが見ちゃったんですよ」



「そうなんです。ウエディングドレスを着た教授の写真を」







「馬鹿な事を言ってないで、訓練を始めるぞ」








「あの、ヴォルク隊長・・・」


「それ、剣じゃなくてダンベルです」










「・・・・・・・・・・」


















14/09/25 15:28更新 / nayo2

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