『ごめん、エグザ。お願いだからもう泣き止んで』
「良かったであります!もう二度と目覚めなかったら私も一緒にお供しようかと、、」
『そんなの駄目だよ。今回のことは私の不注意なんだから。エグザは気にしないで』
「何を仰るでありますか!私は雪凪殿のお世話を任されている身であります!それなのにーーこんな大怪我を」
再び泣き出してしまいそうなエグザに私は慌てて言葉をかける
『ありがとうエグザ。私の事を私以上に心配してくれるエグザには感謝しきれないし、今回だってエグザが皆んなに言ってくれたから私も救われたんだからそんなに悔やまないで。ね。それに私ほら、こんなに元気だから』
そう言って、起き上がろうとしたが、全身に激痛が走った。
『……っ!』
「ご無理を、、!」
『あははっごめん。暫くは動けないみたい。だからさエグザ、お願いがあるんだけど』
「お願いだなんて、何なりとお申し付け下さい」
『うん。じゃあ、エグザは休んでおいでよ。私につきっきりで寝てないでしょ』
「! 私は大丈夫であります」
『だめだよ。ちゃんと休まないと。私のお願い聞いてくれるんでしょ?』
「しかし、、」
『……ふーん。エグザが休んでくれないなら、今すぐ動き出して、傷口がドバーッて開いて死ぬからね』
「それは絶対駄目であります!!」
『じゃあ、休んでくれる?』
「……分かりましたであります。但し絶対安静ですよ!何かあったらすぐに呼んで下さいです!30分で戻ってきます!」
『えっ?30分じゃなくてもーー』
言い終わらないうちに、エグザは颯爽と部屋から出て行った。
『エグザ、、、心配しすぎだって、、、』
ふーっと、息を吐くと傷口が少し痛む。
かなり大怪我したな私。
『あっ、いい香り、、、、』
開け放たれた窓から花の香りが漂う。そして、そっと窓に綺麗な花が飾られた。
『シュイエ?』
「わっ!」
突然声を掛けられた事に驚いたのか、危なく花をいけようとした花瓶をたおしそうになった。
「雪凪様っ!!良かったお目覚めになられて、、って俺すみません!!勝手にお屋敷に入ってしまい、直ぐ出て行きます!!」
『ちょっと待ってシュイエ!〜〜っ!!』
「だ、だいじょうぶですか?!誰か人を呼んでーー」
『っ平気平気!それより毎日お花を替えに来てくれたんだよね。ありがとうシュイエ。それにエグザが言ってたよ。雪凪殿の為の行為ならお屋敷に入るのは構わないです。、だって』
「そんな、恐れ多い。俺が勝手にしたこと何ですから。それに俺は雪凪様が大怪我をした時に駆けつけられませんでした」
『そんなの気にしなくていいよ。心配かけてごめんねシュイエ』
「心配くらいかけさせてください!俺、雪凪様が崖から転落したって聞いた瞬間頭の中が真っ白になって、どうしようもなくなって、、、不安で。雪凪様がいなくなったらどう生きていけばいいんだろうって考えてしまって」
『シュイエ……』
「す、すみません!俺、何てことを!で、ではし、失礼します!!」
『えっちょっ……』
シュイエは顔を真っ赤に染めて、逃げるように屋敷を出て行った。
『シュイエ、風邪でも引いたのかな?』
シュイエが飾ってくれた花が微かに揺れた
[5]
戻る [6]
次へ
[7]
TOP [9]
目次