『別に、無理して送ってもらわなくてもいいんですが』
「無理?君は馬鹿だなやはり。私はベルゼビュート様の命令で動いている。君の存在など眼中に無い」
『それって、送ってる意味あるんですか?』
ふいに振り向くと、真剣な顔をしたハーベンティがいた。
『ちょっと、どうしたの?いつになく真面目な顔をして』
「・・・私はよく表情が読めないと云われるが、君は私の表情の変化が分かるみたいだな」
『えっ?確かにあんまり表情が変わることはないけど、なんだろう・・・。雰囲気かな?』
ふと、自分の顔に影がかかるのを感じた。
見上げればすぐ近くにハーベンティの顔がある
『えっ・・・?!ハーベン――』
「しっ」
急に腕を掴まれ、連れ込まれたのは人気のない路地裏。
しかも私はハーベンティに抱きしめられている状態。
『(な、なんなの突然?!ていうか近いよ!!)』
ハーベンティはどこか周りを見ているようだが、私は無駄にドキドキして限界だった
『この・・・っ!むっつりどスケベ・・・っ!』
私は力いっぱいハーベンティの胸を押した
「・・・・っく!―――おいっ!」
そしてそのまま私は駈け出した。
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