双子さん

「あ、アルト様の新しい個人教授さんですか?」

「はい。そうですけど…」

「あぁ、俺はイレールです。画家です。あの、兄貴にも紹介したいんで、ちょっと着いて来てもらえますか?」

「はい。じゃあ、シュイエ、またくるね。」

「はい。」




「奏さん、俺達、だいたい同じくらいの歳だと思うから、敬語じゃなくていいですよ。」

「えっ、でも…」

「俺達もそうするから。着いたよ。兄貴は、音楽家なんだ。おーい。イーヴ、新しい個人教授さん、連れて来たよ。」

「初めまして。奏です。あの、音楽家さんなんですよね?」

「ああ。」

「奏、イーヴにも敬語じゃなくていいよ。」

「う、うん。それでね、私、論文も書いてるんだけど、テーマが音楽なの。それで、もし良かったら、イーヴが暇なときにでも、いろいろ教えてくれる?」

「ああ。」

「ありがとう。」

「奏、絵のこととかもいつでも聞いて。」
絵…か。絵は苦手なんだよなぁ。

「あ、もしかして、絵は苦手?」

「な…なんで?」

「顔に出てる。」

「う…」

「ははっ。奏をいじるのも面白いかも。」

「うぅ…。そっ、そうだ!挨拶周りの途中だったんだ。じゃあ、これから、よろしくね。」
逃げるが勝ちだよね?

「そっか、じゃあ、また遊びに来てね。」

「うん!」



13/04/09 22:45更新 / クオ
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