クッキー

英語の小テストが返ってきて数日…昨日、店長から休みを1日貰った。その理由は勿論…

「か…香川さん!」

私は机で勉強している香川さんに話しかけた。

「ん?真実ちゃん、どうしたの?」

「あ…あの…明日って…空いてる?」

香川さんは首をコクンと斜めに傾けて、不思議そうな顔をしている…と思っていたらパッと表情が明るくなり、ニコニコと満面の笑みを浮かべた。

「もしかして…勉強会の事!?」

「う…うん。店長からお休みを貰ったから…」

「やったぁ!」

香川さんはガッツポーズをして、「明日かぁ〜楽しみだなぁ…」と幸せそうな顔で呟いている。

「あ!じゃあ真実ちゃん、これあげるね」

「?」

そう言って香川さんが鞄から何か小包を取り出した。
私は不思議そうな顔でそれ(小包)を凝視していると、香川さんが「はい」と言って私にその小包を渡してきた。

「これ…何?」

「クッキーだよ、ほら、私、家庭科部でしょ?それでクッキー作って…真実ちゃんにあげる」

「え!?い、いいの…?」

「うん!それにそのクッキー自分で言ったら変かもしれないけどすっごく美味しくできたから!」

そう言って香川さんは「じゃあね」と言って教室から出て行った。
私は香川さんに貰ったクッキーの入った小包を持って、その場に数秒立ち尽くしていた。

「香川さんから…プレゼント…だよね?…やったぁ!」
10/03/26 06:59更新 / 真実
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