第1章 −恋愛価値観−

「ん…」

ふわぁ…、と欠伸をして私は上半身だけ起こした。
その時、ある違和感が体中を駆け巡った…と言うよりも、簡単に言えば…寒かった。

「寒…い?」

真実はそう呟いて、頭を捻った。おかしい、おかしすぎる…今は、春だ。
桜が満開でお花見日和である。そうついこの前…セルトとミルズさんと一緒にお花見に行った所だ。

それなのに…

この…ヒンヤリとした…寒い感じはおかしいのだ。勿論、私は寒がりでも何でもない。
夏は暑がりになるし冬は寒がりになる。
優柔不断な真実が…春に涼しい、と感じるのはおかしいのだ。

「空調が狂ったのかな…?」

そう呟いて真実は床に足をつけ…ようとした。だが、真実はそんな事よりも床の上に乱雑に置いてあるある物に目が釘付けだった…

そこには…

「…私の制服…?」

真実の制服ともう1つ…真実が通っている学校の制服…それも男子用の制服が乱雑に置いてあった。
ゆっくり真実は足を床につけて、自分の制服であろうスカートを手に持った。

「こ、これ…絶対に私の制服…!なんで…え…!?」

真実はスカートから手を離した。そして自分の体を布団で纏った。真実は裸だった。当たり前…と言えば当たり前なのだが…
勿論、真実には脱ぎ癖などない。寝る時にはちゃんと服を着て寝る…なのに

真実は裸だった…

「え!?え…な、何…これ!」

顔を真っ赤にして真実は頭まで布団をかぶった。…と、真実の左隣になぜか違和感を感じた。
違和感と言うよりも…布団が上下していた。

真実はゆっくりとふとんを引き剥がした。そこには…真実の想像通りの光景があった。
しかし、驚いていないわけではない。もう、真実の頭の中はパンパンだった。

「…あの…掌君…?

       どうして私のベットに裸で横になってるの?」
10/04/02 20:43更新 / 真実
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