「今までお世話になりました」
普段より数倍可愛いトモカがそう頭を下げる
「なぁ…ホントに行っちまうのか?」
「うんっ」
トモカは今日からケスタロージャの家に厄介になる
所謂同棲
あいつの家に行くためにトモカがこんなにおめかししてると思うと嫉妬でそうにかなってしまいそうだ
『では…トモカさん。行きましょうか…?』
「はいっ!!」
でも…
こんなに嬉しそうな顔をされるともうどうでもよくなる
相手が俺じゃなくても…
トモカが幸せなら…俺はそれで……
「あれ?セルト泣いてるの?」
「ばっ///泣いてねぇよ!!」
「ふふっ
たまには遊びにくるから寂しがらないでね?」
「誰が寂しがるかよっ///
出て行ってくれてせいせいするぜ」
本当はこんな事が言いたいんじゃない
行くなトモカ
ずっと俺のそばにいてくれ
俺はお前の事が好きなんだ…!
でもそんな気持ちとは裏腹に生意気な言葉ばかりが口をついて出てくる
それに…
俺の気持ちを伝えてもトモカを困らせるだけだ…
だから
「待てよ!」
「ん?」
グイッ
ちゅっ
「来たらお前の好きなもの食べさせてやるからな」
俺は精一杯のいじわるをするんだ
「ちょっとなにするのよセルト!!!」
ドガッ
「ぐふっ
ちょっ!悪かったからギブ!ギブだって!!!」
「問答無用!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああ」
[5]
戻る [6]
次へ
[7]
TOP [9]
目次