『トモカ…さん……///』
初めてみる彼女の大人びた表情に心臓が爆発しそうなくらい脈打っている
お互いの唇が近付いていく
もう少しで触れるところで私の頭の中で危険信号が鳴り響いた
また…私の不甲斐なさで彼女を傷つけるのか…?
それだけはダメだ
あの日、私はトモカさんを守ると決めたのに
そんな私が彼女を穢してしまってどうする…
そんな思いが私の中を駆け巡り、気付けば彼女を引き剥がしていた
「ケス…タロージャ……さん……?」
彼女が泣きそうな顔でこちらを見てくる
「私…こんなにケスタロージャさんの事が好きで
触れたい、キスしたい…ってずっと思ってるのに…
ケスタロージャさんは違うんですか…?」
彼女の瞳から涙が零れる様を不覚にも綺麗だなと思ってしまった
『私だって…トモカさんの事好きです
愛してます
だからこそ…触れられないんです…
もし、貴女に触れてしまえば私は貴女をめちゃくちゃにしてしまうかもしれない…
それが怖いんです…』
「ケスタロージャさん…」
彼女の頬を伝う涙を拭いながら続ける
『こんなに綺麗な貴女を、私の手で穢したくないんです
だから…ずっと我慢してきました
それが貴女を傷つけていたなんて……』
私の顔を見つめていたトモカが私の手を取り、自分の頬に押し付けた
そして
「ごめん…なさい……
私っ…こんなに愛されてたのに…それに気付かないで寂しいだなんて…
私…私っ…ケスタロージャさんの彼女失格です…」
大粒の涙を流した
『そんな事ないですっ…!!』
珍しく大きな声を出した私に驚いたのか彼女がビクッと顔をあげる
『トモカさんは最高の女性です…!
そんな貴女を悲しませた私が悪いんです…』
「ケスタ…」
『トモカさん
私と付き合って下さい
もう一度最初からやり直しませんか…?』
「…もちろんです…!」
ぎゅっと彼女が抱きついてきた
私は迷わず彼女の背中に手を回す
これから先、彼女と二人なら幸せな人生を歩める気がした…
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