少し前、神田に誘われ入った陸上部。
あそこには“先輩”が居る。
あんま会いたくないけど、今日は神田に言われて練習にきた。
合同練習の大会・・・だっけな?
まあそんなので俺も参加することになった。
俺は短距離。
“先輩”も短距離。
神田は違う種目。
仕方なく練習していると、遠くで神田と“先輩”が話してる。
恋愛感情なのか、憧れなのかは分からないけど、
神田は“先輩”のことが好きだから―・・・。
それも、むかつく。
“先輩”も、楽しそうに話してる。
駄目だ、やっぱりむかつく。
しばらくすると、神田に軽く手を振ってこっちに来た。
「調子はどう〜?」
「・・・ふつー」
「ふうん。千葉君、意外と短距離得意なんだね!」
「別に、得意でもねーよ」
どうして、俺に構うんだよ。
どうして、俺はそんなコイツに胸がどきどきしてんだよ―・・・。
「・・・なあ、神田のことどう思ってんの?」
「え!?か、神田くんのこと!?」
なんだよ・・・、どうして、
そんなに慌てんだよ?
「好きなのか?」
どうして、俺はそんなこと聞くんだよ・・・。
「・・・好きだよ」
傷つくって分かってんのに・・・、俺は、どうして・・・。
「あ、でも恋愛感情じゃないよー。
後輩として、好きだよ!
もちろん、千葉君も、好きだよ?」
いっきに、顔が赤くなるのが分かる。
こんな顔、見せらんねーよ・・・!
「意味わかんねー!俺帰るから」
「ちょ、ちょっと!待ってよ〜」
そんな事を言って、コイツは頬をふくらます。
「うざい。じゃーな」
俺は、“先輩”を置いて学校をでた。
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