神田。

少し前、神田に誘われ入った陸上部。
あそこには“先輩”が居る。

あんま会いたくないけど、今日は神田に言われて練習にきた。
合同練習の大会・・・だっけな?
まあそんなので俺も参加することになった。

俺は短距離。
“先輩”も短距離。
神田は違う種目。


仕方なく練習していると、遠くで神田と“先輩”が話してる。

恋愛感情なのか、憧れなのかは分からないけど、
神田は“先輩”のことが好きだから―・・・。

それも、むかつく。

“先輩”も、楽しそうに話してる。

駄目だ、やっぱりむかつく。

しばらくすると、神田に軽く手を振ってこっちに来た。

「調子はどう〜?」

「・・・ふつー」

「ふうん。千葉君、意外と短距離得意なんだね!」

「別に、得意でもねーよ」


どうして、俺に構うんだよ。
どうして、俺はそんなコイツに胸がどきどきしてんだよ―・・・。


「・・・なあ、神田のことどう思ってんの?」

「え!?か、神田くんのこと!?」

なんだよ・・・、どうして、


そんなに慌てんだよ?

「好きなのか?」
どうして、俺はそんなこと聞くんだよ・・・。

「・・・好きだよ」

傷つくって分かってんのに・・・、俺は、どうして・・・。

「あ、でも恋愛感情じゃないよー。
後輩として、好きだよ!

もちろん、千葉君も、好きだよ?」

いっきに、顔が赤くなるのが分かる。
こんな顔、見せらんねーよ・・・!

「意味わかんねー!俺帰るから」

「ちょ、ちょっと!待ってよ〜」
そんな事を言って、コイツは頬をふくらます。

「うざい。じゃーな」
俺は、“先輩”を置いて学校をでた。
10/07/22 18:46更新 / あや

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