飴玉。
あなたがくれた、
飴玉。
いつかは覚えてないけど、
ミルク苺味の飴。
夏の暑い時は、
ソーダ味なんかくれたりして。
すごく、もったいなかった。
あたしが食べて、いいのかなんて。
思ったりもした。
でも、もう貰う事はできない。
―みんな、いつかは大人になってゆく―
あたりまえのこと。
でも、信じたくなかった。
あの笑顔が目の前から消える日が来るだなんて、
信じたくなかった。
というか、信じられなかった。
でも、今度は。
少し大人になった自分を、
見せられるだろうか。
かごにいっぱいにした、
飴玉と一緒に。
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