「サレオス、私ね、この世に神様はいると思うの」
彼女は、何かあると決まってこういった。
まるで、自分に言い聞かせるように、何度も、何度も・・・・
「好き、と、愛しさは違うわ、サレオス。
ちょうど、恋と、愛が、違うようにね。」
オレの名を、何度も呼ぶ人だった。
その声を聞くことが、時々、ふと心地よく思う。
・・・・なに言ってるんだ、オレは!?
彼女は、いつの間にかオレの世界に入り込んで、
オレの中をいっぱいにした。
オレの世界は、いつからか、彼女でいっぱいなんだ――・・・・
「サレオス!雪だよ、雪ふってる!!」
女は、小さな事でキャーキャーとやかましい。
「ね、綺麗だね、サレオス!!」
・・・・でも、
あんな無邪気に笑う、楽しそうな彼女を見てたら、
それも、別にいいかと思えてしまう・・・・
これが、「恋」なのだろうか?
「ねぇ、サレオス、私ね――・・・・・・・
この言葉の続きが、オレの気持ちを、
確信的なものにかえた。
――・・・・サレオスのこと、大好きよ?」
・・・・オレも、お前のことが大好きだ―――・・・・・
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