ぼくの周りにいる友達は、
冷たい肌をしていて、決してぬくもりは感じられない。
そんなぼくの世界に ぬくもり を教えてくれたのは・・・・
あの子だけなんだよ――・・・・・
「ヴァーラク!なに見てるの??」
ぼんやりと遠くを見ていたぼくの意識の中に、
その声は、いつだって鮮明に入ってくる。
「あぁ・・・・寒いな、って・・・」
ぼくからすれば、そうでもないのだが、
普通の人々は、「寒い」という感覚なのだろう・・・
「そぉーかな?」
彼女は、少し赤くなった鼻をこすりながら、ぼくに笑いかける。
「寒いでしょう?なんでわざわざ、ここに来たの?」
ぼくがまた、ゆっくりと聞き返すと、
彼女は、とびっきりの笑顔で言うんだ。
「だって、ヴァルクと一緒だと、ほわほわしてあったかいから!」
そういって、ぼくの手をぎゅっと握った。
その手は、その笑顔は、太陽なんかよりずっと・・・
ぼくの心をあったかくした――・・・・
[5]
戻る [6]
次へ
[7]
TOP [9]
目次