「ん、・・・・」
外はもう暗闇に包まれて
世界の境界線も分からないほど、真っ暗で・・・・。
今日も、あの人のぬくもりを
この手のひらに感じられなければ 眠れない
「き、ぁ」
「はい」
ベットに横になるあなたが
私の名前を呼んで きゅぅ・・・っ と 手のひらに力を込める
「ここにいます、ずっと」
「ぅ、ん」
安心しきり、とろんと微笑む貴方が 愛おしい――・・・
同じ 36度の体温を、 この肌に感じられることは
こんなにも・・・
尊くて 幸せなことだったんだ・・・・・・
「ぁりがと、キア・・・・」
「・・・、はい」
祈るように、願うように
当然のように、明日も、こうやって手をつなげますように・・・
「「おやすみ、((そして、 ・・・愛してる――・・・))」」
眠りに落ちる、その刹那。
意識が途切れる、その間際。
愛しい人が、自分の名前を呼んだ気がした――・・・・・
[7]
TOP