日常 〜ベリアルの1日〜


いつもそう・・・
貴方のほうが、ずっとずっと大人だから、


そうやって、ごまかされちゃうんだよね――・・・


「おや、お嬢さん。
 どちらへ?」


「ベリアル・・・」


口元に微笑をうかべ、言うベリアルの本心は、
いつだって見透かすことが出来ない・・・・・



「べつに? 流香と買い物だよ。」

「ふむ・・・では――・・・」



そっぽを向くように、
少し口を尖らせていったら、ベリアルの手が伸びてきた。



「こちらのほうが、あなたには似合います」


まとめていた髪の止め飾りを、
流れるような動きで  しゅるり   と 私から奪い取った。


「ぁ――・・・・



言葉にならない・・・
心臓が煩い・・・・・

貴方の顔が近いから?  こんな風にされるのに、慣れてないから・・・?



や、やめてよ!折角やったのに!!」



真っ赤な顔を、ばれないようにとそむければ、

くすくすと楽しそうに笑って、満足そうなベリアル・・・・



「そのほうが、僕は好きなんですよ。美羽。」


「!!」


耳元で名前を呼ぶとか・・・! 反則・・・!!


いつだってそう、



大人な貴方のほうが、1枚も、2枚も上――・・・・


11/03/09 21:54更新 / ろぃ
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