いつもそう・・・
貴方のほうが、ずっとずっと大人だから、
そうやって、ごまかされちゃうんだよね――・・・
「おや、お嬢さん。
どちらへ?」
「ベリアル・・・」
口元に微笑をうかべ、言うベリアルの本心は、
いつだって見透かすことが出来ない・・・・・
「べつに? 流香と買い物だよ。」
「ふむ・・・では――・・・」
そっぽを向くように、
少し口を尖らせていったら、ベリアルの手が伸びてきた。
「こちらのほうが、あなたには似合います」
まとめていた髪の止め飾りを、
流れるような動きで しゅるり と 私から奪い取った。
「ぁ――・・・・
言葉にならない・・・
心臓が煩い・・・・・
貴方の顔が近いから? こんな風にされるのに、慣れてないから・・・?
や、やめてよ!折角やったのに!!」
真っ赤な顔を、ばれないようにとそむければ、
くすくすと楽しそうに笑って、満足そうなベリアル・・・・
「そのほうが、僕は好きなんですよ。美羽。」
「!!」
耳元で名前を呼ぶとか・・・! 反則・・・!!
いつだってそう、
大人な貴方のほうが、1枚も、2枚も上――・・・・
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