いつだったか・・・・
あいつが俺の世界に入ってきたのは・・・・
「えーっと、はじめまして!
美羽っていいます、仲良くしてください(^^)」
人懐っこい、人見知りをしない、というのが、
最初の印象だった。
調香師を目指す、親友の話を、よくしていた。
ーある日―――
「すんっ・・・・」
町で偶然出会い、近づいてきた美羽は、
突然鼻を鳴らした。
「(?)・・・・なにか、」
「これ、流香が作った香水だよね!?」
「(!)」
正直驚いた。
彼女の言うとおり、オレは香水をかえた。
だがそれは、誰にも言っていないし、彼女が知るはずがない。
「やっぱり!これ、“フランキンセンス”だね。」
なれない言葉に、首をかしげると、
彼女はにっこり笑って、言葉を続けた。
「昔から、瞑想の助けに用いられてきたんだよ。
エキゾチックで、神秘的な香りでしょ?
それから、ストレスにもいいの。
きっと流香は、オリアスが最近、疲れてたこと知ってたんじゃないかな?」
最後の言葉に、ふかくにもドキッとなる。
確かに、最近仕事続きで疲れがたまり、占いをしようにも、
集中できなくなっていた。
「(そうか・・・流香、ありがとう・・・・)」
今度、会ったら改めて伝えよう。
そして、彼女の気持ちを伝えてくれた君にも、
言わなくてはいけないな。
「・・・・ありがとう、美羽。」
「どーいたしましてっw」
美羽がいて、流香がいて、流香の香りと思いに包まれる――・・・・
それが、俺の日常――・・・・・
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