晴れ時々、雨。 01 02 03 04 05

笑顔時々、涙。4

「それじゃ、行ってきまーす!」





セルトが作ってくれた朝ごはんを食べ終えた私は
少し余裕のある足取りで学校へ向かう。
今日は何処に行って写真を撮ろうかな...
あ、その前に学校でしっかり勉強しなきゃだね。


そんなことを考えながら歩いていると登校中のイナちゃんを発見!





「イーナーちゃんっ、おはよう!」





『わっ、清ちゃん!?お、おはようございますっ』





「えへへ、驚いた?」





『は、はい。ビックリしましたぁ..』





「そか、ごめんね!驚かせて。」





『いえ、朝から清ちゃんと会えて嬉しいですから。』





「そお?、私も嬉しーよ。...あ、そうだっ
今日の芸術の授業、実技じゃなくて普通のノート書く方だよね?
....ノート、忘れたっぽいんだけど..シーブリーズ持ってない?」





『...シーブリーズ...?、あ、あの..それ違うような..』





「あれ?、じゃぁファブリーズ?それとも...」





『...ルーズリーフな。』





「へ?、せ..セルト...」



後ろから、頭にポンッと手を置かれ振り返ると
そこには見慣れたブロンズ色の髪..唇のピアス..。
セルトが立っていた。





『..お前、ノート忘れていっただろ。机に置きっぱだったぞ?』





わざわざ届けてくれたんだ...

「ありがとー、丁度その話してたの!助かったぁ。」





『..はぁ、しょっちゅう忘れ物しやがって..
次は届けないからな?』





「はいはい、わかってますよー」




『あ、君は..』





『おはようございます、えと..セルトさん。』





『あぁ、おはよう。』





「時間まだ大丈夫だからさ、少し座らない?」


近くに丁度ベンチを見つけた私は
少し、腕時計を見るとそう提案してみた。

でも、まさか..私の本当の気持ちが..
この選択によって判明してしまうとは、
誰も想像しなかったと思う..





『え、セルトさんも一緒にですか?』





「うん、せっかくだしさ?いいよね?セルト」





『ん、そうだな。俺もまだ時間がある』





『そうなんですか、良かった..』





「イナちゃん、セルトに話したいことでもあったの?」





『え!?そ、そうゆうわけではないのですが..』





『ん?遠慮はいらないが..?』





『いえいえ!!大丈夫なんです!』





「そっかぁ、私の勘違いだったんだね。」





『は、はい...』





『あ、そうだ..この前はありがとうな?』





『え、いえ!気にしなくていいんですよ?』





『いや、そうはいかない。今度お礼をさせてくれ』





「あれー?お二人さん何かあったのー?」


ちょっと恋愛の香り!面白そう..





『あ?別に買出しに行ったとき計算違いで
紙袋を破いちまったんだ。で、中身が散らばってな。
通りかかった、イナが拾ってくれたんだ..』





「へ、へぇ..あ、もしかして落とした物を拾うときとか
手と手が触れちゃったり!?」





『え!?そんなことは..!』





『はぁ..くだらねぇ..普通に拾ってもらったし
女はこう、何で面倒な方向にものを考える..』





「あ、はは..冗談だってば..」


自分からちゃかしたくせに..
なんか胸がズキズキしてるみたい..なんでだろ?





『冗談でも、いちいちくだらねぇこと聞くな..』





『じょ、冗談でしたか...』





「ま、まぁ!!二人ってお似合いだよね!」





『っ!、だからお前は何言ってんだ!!』


バッと腕を掴まれて、怒ったセルトは
私を睨んでいた..こんなに怒ったセルト、見たことないよ..

それに私..何言ってるの..?





「.....ご、ごめんなさい..」














ツーっと私の頬を涙が伝った。













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はい、やっとタイトルに相応しい
内容になってきましたね..


rainycande.

12/10/13 20:23 雨の飴

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