連載小説
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3
「ソロレスって意外と大胆だよね」






宮殿から自室に渡る廊下を歩いてるときだった



柱の影に隠れて現れたのは






『レルム様。って見てたんですか?』



「うん。見てた。ソロレスがいやらしい顔してた」


『そんな顔してません。ソロレスさんをからかうのは良くないですよ』



「ちえっ」



『ふふっ。そういえば今日は邪魔しに来ませんでしたね。今来たんですか?』



「なんかその言い方ひどいなー。まぁいいけどさー。ずっといたよ。先生がアルトの授業してる時から」


『そんなに前からいらしたんですか、珍しいですね』


「あの女の匂いがしたから、隠れてたのさ」


『あの女?』


「もー鈍いなー。アルトの部屋に乱入してきた女。隣の国の王女で自分勝手だし我がままだし、その上威張ってて。レルムあいつ嫌い」





今……さりげなくすごいことを聞いてしまった




「んー?どうしたの先生?」


『お、王女様だったんですか……』


「あれ?知らなかったの先生?』






私は思わず持っていたカバンを落とした




『知らなかった……そうだよね……よーく考えたらアルト様の婚約者なんだから……』


「候補ね。候補」


『どうしよう……不躾な態度取ってなかったかな』


「どっちかっていうと向こうが不躾だったよ」


『ってレルム様、あの女って呼んじゃ駄目じゃないですか!』


「いいんだよ。だって年下だし、嫌いだから」


『そういう問題じゃないです!』





ああ駄目だ……私はなんてことを……私お二人の時間邪魔してたよ……






『今からでも謝ってきた方がいいかな?』


「だいじょーぶだって。それにほら」




ふいに手を引っ張られた






「個人教授辞めさせられたら、レルムが雇ってあげる」





すると手の甲に口づけを落とした





『れ、れれれ、レルム様!』


「あっははははは!先生はからかうとおもしろいな」


『からかわないでください!』


「じゃあ本気だったらいいの?」


『もし、そんなことが本当に起きたら、私は自国に帰ります』


「なんで?レルムの個人教授になればいいじゃん」


『それは駄目です。やめさせられて、じゃあ次とか思いたくないんです。せっかく呼んでいただいたのに役目も果たせず、未練がましく残っているなんてなんの解決にもならないですから』


「ふーん…」


『だから今度は反省するべき点はきちんと反省して、他国のことももっと学ぼうと思うんですよね』


「なんか難しくてよく分からない」




うっ…今すっごい力説したのに





「けど、レルムの個人教授が嫌なわけじゃないんでしょ」


『はい。別に嫌じゃないですよ。むしろそんな風に言ってもらって嬉しいですし、ありがとうございます』


「うん。ならいいや。あっでもやっぱヤダ」


『え?なんでですか?』



レルム様は庭園に出ると、私にむけ、手で銃の形をつくった




「もらうならやっぱり、お嫁さんの方がいいや」




バンっと言って、撃ったふりをする




「先生いつかレルムのお嫁さんになってねー」


『ははっ…はいはい』




そう言って手を振るとレルム様は林の中に消えていった
























「あーあ……本気なのになー。あの返事じゃ、ちゃんと分かってないな」














13/01/13 20:11更新 / nayo2
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