演じて求めるもの

 演じよう。
 今までと変わらない兄を。
 お前が望む兄を。

 「煩い!」「ウザイ!」「過保護」

 なんと言われても、この態度を変える気はない。

 変えてしまったら、きっと壊れてしまう。

 お前はそれを望んでいないだろう?

 だから俺は演じ続ける。

 お前が望む関係を。お前が幸せになれるように。


 お前の幸せを壊す奴は、たとえ誰でも許さない。

 そう、それは俺自身も含まれる。


 だから、な。

 「静藍、今日も大好きだぞ」

 っと、軽口で。冗談で伝える。

 「ああ、はいはい」

 生返事で返ってくる言葉。


 本気の、本当の想いを冗談交じりに伝えて。

 決してたった1つの「真実(ほんとう)の想い」に、お前が気づかないように。


 それでいい。

 だから、まだしばらくは。このままで。

 傍に居させてくれ―――――――……

学園編での主人公の名前は「雅 静藍」(みやび せいらん)で統一します。
Lucifer's Garden編では「ルリ」(瑠璃)での統一。
背景、相手は違えど。同じ舞台でのお話では、主人公の名前は統一です。
宮廷編では、宮廷編での名前を。留学編では留学編での名前。カフェ編でも、カフェ編での名前を用意いたします。


10/11/10 23:38 久遠

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