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私の恋

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INDEX

  • あらすじ
  • 01 小百合視点
  • 02 シュイエ視点
  • 03 小百合視点
  • 04 ヴォルク視点
  • シュイエ視点

    「シュイエー!」




    ・・・この声は、小百合様!?


    おれは、草むしりを止めて、慌てて立ち上がった。
    その時には、小百合様は駆け寄って来ていた。
    急いで汗を拭って言った。
    「小百合様、申し訳ありません。気づきませんでした」
    「え?良いの、良いの。気にしないで」
    小百合様は微笑んでそのまま続けた。
    「いつもありがとう。私たちのお花は、元気かしら?」




    実は、少し前に小百合様がおれの所に来て、花の苗を下さり二人で育てよう、とおっしゃった。小百合様は、一人で育てると枯らしてしまいそうだから不安らしい。そして、「そしたら、いつでもシュイエのお花達にも会いに来れるし」ともおっしゃった。


    その言葉におれは、異常にドキドキした。
    小百合様が気になさってくれているのは、花達であるのはちゃんと分かっているが。

    そして、それ以降、おれは小百合様が気になりだしていた。




    「わぁ!もう少しで咲きそうね、シュイエ!」
    小百合様はキラキラの瞳で俺を見つめてきた。
    「は、はい。そうですね」
    「これからは、もっと遊びに来なきゃ咲くのを見逃しちゃうわ!」
    小百合様は本当に楽しそうに、話している。


    ただ・・・。
    おれは、この花が咲かないで欲しかった。
    この花が咲いて、枯れてしまったら、もうこの庭園には来てくれないかもしれない。
    そう思うと、胸が苦しくなった。
    だから、おれは毎日大切に育てる反面、咲かないように祈り続けていた。


    10/06/07 17:10 maki   

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