シュイエ視点
「シュイエー!」
・・・この声は、小百合様!?
おれは、草むしりを止めて、慌てて立ち上がった。
その時には、小百合様は駆け寄って来ていた。
急いで汗を拭って言った。
「小百合様、申し訳ありません。気づきませんでした」
「え?良いの、良いの。気にしないで」
小百合様は微笑んでそのまま続けた。
「いつもありがとう。私たちのお花は、元気かしら?」
実は、少し前に小百合様がおれの所に来て、花の苗を下さり二人で育てよう、とおっしゃった。小百合様は、一人で育てると枯らしてしまいそうだから不安らしい。そして、「そしたら、いつでもシュイエのお花達にも会いに来れるし」ともおっしゃった。
その言葉におれは、異常にドキドキした。
小百合様が気になさってくれているのは、花達であるのはちゃんと分かっているが。
そして、それ以降、おれは小百合様が気になりだしていた。
「わぁ!もう少しで咲きそうね、シュイエ!」
小百合様はキラキラの瞳で俺を見つめてきた。
「は、はい。そうですね」
「これからは、もっと遊びに来なきゃ咲くのを見逃しちゃうわ!」
小百合様は本当に楽しそうに、話している。
ただ・・・。
おれは、この花が咲かないで欲しかった。
この花が咲いて、枯れてしまったら、もうこの庭園には来てくれないかもしれない。
そう思うと、胸が苦しくなった。
だから、おれは毎日大切に育てる反面、咲かないように祈り続けていた。
・・・この声は、小百合様!?
おれは、草むしりを止めて、慌てて立ち上がった。
その時には、小百合様は駆け寄って来ていた。
急いで汗を拭って言った。
「小百合様、申し訳ありません。気づきませんでした」
「え?良いの、良いの。気にしないで」
小百合様は微笑んでそのまま続けた。
「いつもありがとう。私たちのお花は、元気かしら?」
実は、少し前に小百合様がおれの所に来て、花の苗を下さり二人で育てよう、とおっしゃった。小百合様は、一人で育てると枯らしてしまいそうだから不安らしい。そして、「そしたら、いつでもシュイエのお花達にも会いに来れるし」ともおっしゃった。
その言葉におれは、異常にドキドキした。
小百合様が気になさってくれているのは、花達であるのはちゃんと分かっているが。
そして、それ以降、おれは小百合様が気になりだしていた。
「わぁ!もう少しで咲きそうね、シュイエ!」
小百合様はキラキラの瞳で俺を見つめてきた。
「は、はい。そうですね」
「これからは、もっと遊びに来なきゃ咲くのを見逃しちゃうわ!」
小百合様は本当に楽しそうに、話している。
ただ・・・。
おれは、この花が咲かないで欲しかった。
この花が咲いて、枯れてしまったら、もうこの庭園には来てくれないかもしれない。
そう思うと、胸が苦しくなった。
だから、おれは毎日大切に育てる反面、咲かないように祈り続けていた。