連載小説
[TOP][目次]
「うーん、熱はありますがただの疲労ですね。少し休めば回復するでしょう。ですがこのままではつらいと思いますので解熱剤だけ出しておきますね。」
「ありがとうございました。」
よかった。ただの疲労だったんだ。でもそんなになるまで働いてくれていたなんて・・・感謝しなきゃな。
「ん・・・メイ様?」
「あ、起きた?キア倒れたんだよ。でもただの疲労だって。よかったね。」
「そうですか・・・。」
「ごめんね?私がもうちょっと頑張って、キアを気にかけてあげればよかったのに。」
安心したのもあったのか私の目からは涙が出ていた。拭いても拭いても止まらない。
「メイ様!泣かないでください。そんなにこするとかわいい顔が台無しですよ。」
キアがそっと涙を拭いてくれる。そんな優しいことをされるとまた涙が溢れそうになる。
「はぁ・・・・これじゃだめですね。」
えっ!?冷たいキアの声にドキッとする。もしかして私呆れられちゃった?
「もう、そんなかわいい顔されると止まらなくなっちゃうじゃないですか。」
力強く腕をつかまれて引き寄せられた私はキアに優しく抱きしめられていた。
「ちょっ・・・キア?」
「お願いです。もう少し、もう少しだけこのままでいさせてください。」
キアは私を抱きしめたまま寝てしまった。
15/04/06 16:24更新 / メイ
戻る 次へ

TOP | RSS

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.30c