出会い

彼女は地面に落ちたヒコーキをそっと拾い上げた。

「これ…あなたの?」

女の子らしい可愛い声で僕に尋ねた。

「そうだよ。拾ってくれてありがとう。」

僕も彼女に子供らしく笑いかけた。

「どういたしましてっ!」


女の子らしい可愛い声で僕に尋ねた。

その時の彼女は、とても純粋で無垢で
穢いことなんて何も知らないような…そんな笑顔を僕に向けた。




……だからかな。
ふと悪い考えが僕の頭を過った。

この毎日かならずくる放課後。

思い出すのは彼女と過ごした日々。
そしてアイツにだけ見せたあの笑顔。


一人毎日読む本は一冊二冊と増えていくけど、
そこにあるのは虚無感と劣等感だけ。


もう…うんざりだった。


だから僕は、気を紛らわせる物……そう。
“おもちゃ”が欲しかった。




11/03/20 19:01 up
あかり