読切小説
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叶えてはいけない、恋でした

お兄ちゃんが、名前で呼ぶのは わたし だけ


      勉強を教えてもらうのだって、


一緒に図書館に行くのだって・・・


              時折見せる無防備な顔も――・・・



ぜんぶ全部、わたし だけのものだと    思ってた・・・・





「優(ゆう)」

「なぁに、お兄ちゃん?」



3つ違いのお兄ちゃんは、頭が良くて
いつだって優しくて、なんでもできて、・・・



わたしだけの、世界一カッコイイお兄ちゃんだった。



「今度、期末テストだろ?
 ちゃんと勉強はできてるのか?」

「やってますぅ!これでも!!」


ソファでばたばたするわたしの隣に、さらにギシ、・・っと重みが加わる。



「まぁ、優なら心配ないか、・・・頑張れよ」



    そっと    と額に触れたお兄ちゃんの指先。


ソファに沈み込む、お兄ちゃんの体温・・・・



    すき

              大好き




  言葉にならないくらい          あなたが




           心から 好き――・・・・





それでもこの初恋は、



決して叶わなくて、決して叶えてはいけない恋。



その現実をつきつけるように、――・・・・




「あれ、お兄ちゃん眼鏡は?」

「ああ、今日体育のときに壊れた」

「ダメだよぉー、お兄ちゃんの眼鏡ない顔って、
 なかなか見れないから貴重なんだよ?
(それをクラスの女子が見ちゃうなんて・・・・)」


「、ぷっ、ははっ」


「?どうしたの?」


    お兄ちゃんは――・・・・・・



「いや、同じクラスの女子に、同じようなこと言われたな、と思って」



その人の言葉を思い出すように、幸せそうに、目を細めた。



もう、「わたし だけ」の お兄ちゃんじゃなくなってしまったから・・・・




「そ、うなんだ・・・お兄ちゃん、その人のこと、好き?」



「、・・・っ嫌いじゃないよ///」



さよなら、私の初恋。

さよなら、私だけのお兄ちゃん。

仕草も、表情も、そしていつしか、隣という居場所も、・・・・





いつしかこうなると、分かってた――・・・・・



11/11/25 20:45更新 / ろぃ

■作者メッセージ
お久しぶりです!

初めて書きました、こういう系!!←


イベントで、清水君の眼鏡なしをみて、一人悶えて・・・www


コメントいただけたら嬉しいです!!

それではっ☆

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