連載小説
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合縁奇縁
「ここかぁ・・・」
圧倒される宮殿。
写真とかでは見てはいたけど、本物は迫力がある。
私、相沢桜は一か月前に大学の教授に
「ちょっとある国の王子の先生やってこい」
と言われて、海外に飛ばされました。
もちろん反論もしましたよ?
でも・・・教授の権力には勝てないよ。
てなわけで、私は今日今ここにいます。
話に聞いてる王子はまだ14歳くらいだって聞いた。
家庭教師の気分でやればいっか。
・・・・・でもどうやって中にはいるわけ?
門でかすぎだし。
インターホンついてないし。
困るな。
困ったな。
「すみませーん」
反応はない。
そりゃ敷地広いしね。
普通の声じゃ聞こえるわけないか。
「すみませーん!!」
「何か御用ですか?」
横から声が聞こえて、悲鳴を上げる。
「初対面で悲鳴だなんて、失礼ですね」
目をあけると目の前には嫌みったらしい人の顔。
「すみません。あの、ここの方ですか?」
「ここの方以外に何があるんでしょう?」
嫌みな人だな・・・。
私この人嫌いかも。
Sな人って苦手だし。
入口でいきなり前途多難だ。

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