この瞬間、私は幸せです

先日、ソロレスから誘われた街への買い物、それがようやく今日に迫る
普段はこちらから誘うばかりであったのに、「蔵書を増やすから参考に」とソロレスから初めての誘いだ

今朝はエグザに起こされるより前に目覚めた
服を選ぶ時間は普段の倍かかったり、髪飾りをどれにするか迷ったり、いつもより念入りに化粧台に張り付いたり

考える事は全てソロレスの事ばかり
この色の服だと瞳の色が映えるだとか、この髪型が似合うだとか、自分でも笑ってしまうくらい事細かに彼の台詞を覚えている

まるでこれから初めてのデートに挑む初々しい恋人のように、そう心の中は正にその状態だった
別にこちらから好きだと伝えた訳でも、彼から愛を囁かれた訳でも全くない

ただ彼の声を聞き、そして触れ、ひたすら思い続ける
普段からさらりとした表情ばかりの彼が、時々見せる笑みや少し困った顔
それがほんの少し口の端を上げるだけだったり、何となく眉を潜めているだけでも、新たに見ることが出来た彼の一面
そういうもので胸が暖かくなり、思わず微笑みが零れる

一通り準備を終え、何時だろうと顔を上げた所でエグザが室内に入ってくる

「そろそろ約束のお時間であります」
「あ、うん、今行く」



「教授殿、とてもお綺麗であります、行ってらっしゃいませ」

まるで何もかも知っているかのようなエグザの台詞、優しく微笑む彼女はとても可愛くて美しい
彼女のその一言で緊張していた心が解けた

「ありがとう、行ってきます!」

めいっぱい笑いかけ、手を振った



渡り廊下に響く靴の音、柱の隙間から空を見上げればそれは青く澄み渡り、庭の花達は美しく咲き乱れている
彼の人の背を視線の先に見つけ、思わず嬉しくなって彼の名を呼んだ


片思いの時のドキドキ感が出ていればいいなと・・・
新参者な上にソロレス攻略中ですが、お買い物イベント見て思わず書いてしまいました
(主人公の名前が出ていると読者側から読む際に違和感ありまくると思ったので、エグザたんには教授と呼んでもらいました)

10/05/31 03:56 ネロ

/ RSS

top

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.30c