紙ヒコーキと夏

01. 出会い

紙ヒコーキと夏


―あの日…屋上から紙ヒコーキを飛ばしたんだ
        『君が好き』と書いた紙で折った、紙ヒコーキ―

綺麗に落ちていくその様は、とても僕に似ていた。
重力に逆らえないそれは、重力に逆らわない正直な心。
ゆっくりと、、でも確実に落ちていく。

それは偶然にも、下を歩く一人の少女の下へと向かっていった。
彼女は足元に落ちたそれを優しく拾い上げ、辺りを見渡した。

そして彼女は、僕を見つけた。
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