変な奴に好かれてしまった*とある掌くんの1日*

とにかく変な奴に好かれてしまった・・・。


裏路地で声がすると思ったら数人の不良に絡まれている女が一人

遠目から見ても目に涙を浮かべて怯えているのが分かる

「はぁ・・・」

ため息一つ

「やめろよ、怯えてるだろ」

そう言うと

「あぁん、やんのかてめぇ!」

と不良の一人がいきなり殴りかかってきた

「っと!」

オレは軽くよけて不良の懐に入る

「なっ!ぐっ・・・」

不良は一瞬驚いた声を出したが次の瞬間には苦しそうな声一つだし倒れた

「まだやるか?」

驚いた顔をして倒れた仲間を見ている数人の不良に一言

「ひっ・・・!」

怯えた声を出して気絶している不良を瞬時に抱え逃げ去った


「あんた大丈夫か?」

地面にへたり込んでいる女に声をかける


「えっ・・・あっ・・・」

声をかけられたからか女は顔を上げこちらを見る

澄んだ大きな瞳が俺をとらえる

「あ・・・ありがとう、大丈夫・・・です・・・」

「そうか」

それだけ言って立ち去ろうとすると・・・

「あっ・・・あの・・・!」

女から呼び止められる・・・正直あんまり関わり合いを持ちたくないのだが・・・

「えっと・・・腰が・・・」

俯き小さな声で何か言っているが良く聞こえない

「〜〜〜〜〜っ」バッ

勢いよく顔を上げ何か決意したような赤い顔でこちらを見上げ一言

「腰が抜けて立てません・・・助けてください・・・」

かなり間抜けな発言に終始無言

「あっ・・・あの・・・」

恐る恐る声をかけてくる女

「はぁ・・・」

ため息一つ

「ほら」

女に背を向ける

きょとん顔の女に一言

「立てないんだろ、乗れよ」

ようやく俺の意図を分かったのか俺の背中にかかってくる重み

「あの・・・助けていただいたうえこんなことまで・・・ありがとうございます・・・」

「あぁ」

暫しの沈黙耐えきれなかったのか話しはじめる女

「あの・・・名前・・・教えてもらっても良いですか・・・?」

首だけ振り返って女を見ると焦ったように続ける

「あの・・・その・・・変な意味じゃなくて・・・ごめんなさぃ・・・」

だんだん小さくなる声それだけ言うと俯いて黙ってしまった

「・・・ぅ」

「えっ・・・?」

「・・・掌」

名前だけ素っ気なく言えば俯いていた顔を上げてふわりと笑う

「助けてくれて本当にありがとう、私は相馬百合(そうまゆり)って言うの」

「よろしく、掌くん」

ニコニコ笑顔でそう言われたら何だか何も言えなかった・・・


変な奴に好かれてしまった
(でも・・・悪い気はしない)

初めまして柿田椿と言います。
掌くんをメインに書きました。
口調などが分からなかったのでイメージが崩れてしまっていると思います。
気分を害された方はすみません。
また色々と駄文書いていくと思いますが温かい目で見ていただければ嬉しいです。
                                柿田椿

10/03/21 19:33 柿田椿

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